日本年金機構 障害年金ガイド 令和6年度版  目次 障害年金とは 1ページ 受給要件 1ページ 受給要件フロー 3ページ 保険料の納付要件 5ページ 請求時期 6ページ 障害年金に該当する状態 7ページ 障害年金・障害手当金の額 9ページ 年金の支給制限・調整 10ページ Q&A 12ページ 障害年金の請求手続き 14ページ お問い合わせ先 15ページ 1ページ 1 障害年金とは 障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。 障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師または歯科医師(以下「医師等」といいます)の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金保険に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。 なお、障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)を受け取ることができる制度があります。 また、障害年金を受け取るには、年金の保険料納付状況などの条件が設けられています。 2 受給要件 障害年金は、それぞれ①~③の条件のすべてに該当する方が受給できます。 (1)障害基礎年金 ①障害の原因となった病気やけがの初診日(2ページ「用語の説明」参照)が次のいずれかの間にあること。 ○国民年金加入期間 ○20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間 ※老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除きます。 ②初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること(5ページ参照)。 なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。 ③障害の状態が、障害認定日(2ページ「用語の説明」参照)または20歳に達したときに、障害等級表(8ページ「障害等級表」参照)に定める1級または2級に該当していること。 ※障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害基礎年金を受け取ることができる場合があります(6ページ「事後重症による請求」参照)。 2ページ (2)障害厚生年金 ①厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。 ②初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。 ③障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。 ※障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります(6ページ「事後重症による請求」参照)。 (3)障害手当金(一時金) ①厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。 ※国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除きます。 ②初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること。 ③障害の状態が、次の条件すべてに該当していること。 ○初診日から5年以内に治っていること(症状が固定) ○治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと ○障害等級表に定める障害の状態であること 3 用語の説明 (1)初診日 障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。 同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。 (2)障害認定日 障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。 3ページ 4 受給要件フロー (1)障害基礎年金 【フロー図】次の要件に「はい」か「いいえ」で進んでいくと、障害基礎年金の受給要件があるかどうかがわかります。 ①初診日に国民年金の被保険者でしたか 「はい」の場合は、④に進みます。 「いいえ」の場合は、②に進みます。 ②初診日に60歳以上65歳未満で日本に住んでいましたか 「はい」場合は、④に進みます。 「いいえ」の場合は、③に進みます。 ③初診日に20歳前でしたか 「はい」の場合は、⑤に進みます。 「いいえ」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 ④初診日の前日において保険料納付要件を満たしていますか(5ページ参照) 「はい」の場合は、⑤に進みます。 「いいえ」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 ⑤初診日から1年6カ月経過(または1年6カ月以内に症状が固定)かつ20歳以上ですか 「はい」の場合は、⑥に進みます。 「いいえ」の場合は、初診日から1年6カ月経過(または1年6カ月以内に症状が固定)かつ20歳に到達するまで待ってください。フローは以上です。 ⑥初診日から1年6カ月経過した日(1年6カ月以内に症状が固定した日)または20歳に達した日に、1級または2級の障害の状態ですか(7・8ページ参照) 「はい」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、⑦に進みます。 ⑦65歳前に1級または2級の障害の状態になりましたか(請求は65歳の誕生日の前々日まで) 「はい」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、⑧に進みます。 ⑧もともとある障害と新たな障害をあわせることで65歳前にはじめて1級または2級の障害の状態になりましたか(※) 「はい」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、障害基礎年金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 (※)新たな障害の納付要件等を満たしている必要があります。詳しくはお近くの年金事務所など(14ページ参照)へご相談ください。 4ページ (2)障害厚生年金 【フロー図】次の要件に「はい」か「いいえ」で進んでいくと、障害厚生年金の受給要件があるかどうかがわかります。 ①初診日に厚生年金保険の被保険者でしたか 「はい」の場合は、②に進みます。 「いいえ」の場合は、障害厚生年金または障害手当金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 ②初診日の前日において保険料納付要件を満たしていますか(5ページ参照) 「はい」の場合は、③に進みます。 「いいえ」の場合は、障害厚生年金または障害手当金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 ③初診日から1年6カ月経過(または1年6カ月以内に症状が固定)していますか 「はい」の場合は、④に進みます。 「いいえ」の場合は、初診日から1年6カ月経過(または1年6カ月以内に症状が固定)するまで待ってください。フローは以上です。 ④初診日から1年6カ月経過した日(1年6カ月以内に症状が固定した日)に1級、2級または3級の障害の状態ですか(7・8ページ参照) 「はい」場合は、障害厚生年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、⑤に進みます。 ⑤65歳前に1級、2級または3級の障害の状態になりましたか(請求は65歳の誕生日の前々日まで) 「はい」場合は、障害厚生年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、⑥に進みます。 ⑥もともとある障害と新たな障害をあわせることで65歳前にはじめて1級または2級の障害の状態になりましたか(※) 「はい」場合は、障害厚生年金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、⑦に進みます。 (※)新たな障害の納付要件等を満たしている必要があります。詳しくはお近くの年金事務所など(14ページ参照)へご相談ください。 ⑦初診日から5年以内に症状が固定し、障害手当金の障害の状態になりましたか(8ページ参照) 「はい」場合は、障害手当金の受給要件に該当します。フローは以上です。 「いいえ」の場合は、障害厚生年金または障害手当金の受給要件に該当しません。フローは以上です。 5ページ 5 保険料の納付要件 初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あることが必要です。 【例1】 令和4年5月に20歳を迎え、令和5年9月に初診日があるケース 各月の保険料納付状況 ○令和4年5月~8月 納付済期間(4カ月) ○令和4年9月~11月 未納期間(3カ月) ○令和4年12月~令和5年2月 免除期間(3カ月) ○令和5年3月~7月 納付済期間(5カ月) 〇令和5年8月~9月 未納期間(2カ月) <解説> 被保険者期間は、20歳から初診日がある月の2カ月前(令和5年7月)までの15カ月です。 このうち、保険料納付済期間および保険料免除期間は12カ月です。 上記の例では、保険料納付済期間および保険料免除期間が3分の2以上(10カ月以上)あるので納付要件は満たしています。 6 保険料の納付要件の特例 初診日が令和8年3月末日までにあるときは、次のすべての条件に該当すれば、納付要件を満たすものとされています。 ○初診日において65歳未満であること ○初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと 【例2】 令和4年1月に20歳を迎え、令和5年9月に初診日があるケース 各月の保険料納付状況 ○令和4年1月~7月 未納期間(7カ月) ○令和4年8月~10月 納付済期間(3カ月) ○令和4年11月~令和5年2月 免除期間(4カ月) ○令和5年3月~7月 納付済期間(5カ月) ○令和5年8月~9月 未納期間(2カ月) <解説> 初診日がある月の2カ月前までの直近1年間(令和4年8月から令和5年7月まで)に保険料の未納期間がないので納付要件は満たしています。 ※初診日が平成3年5月1日前の場合は、納付要件が異なります。年金事務所などにご相談ください。 6ページ 7 請求時期 (1)障害認定日による請求 障害認定日に法令に定める障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から年金を受け取ることができます。このことを「障害認定日による請求」といいます。 【例1】 初診日 令和4年3月25日 障害認定日 令和5年9月25日(初診日から1年6カ月) ※障害認定日において障害年金に該当する状態 請求日 令和5年10月25日 年金決定のお知らせ 令和6年1月頃 初回振込日 令和6年2月頃 ○受け取りは令和5年10月分からですが、初回の振り込みは令和6年2月に4カ月分(令和5年10月分~令和6年1月分)となります。 <解説> 「例1」のケースでは、初診日が令和4年3月25日のため、障害認定日は1年6カ月を過ぎた日である令和5年9月25日となります。障害認定日の症状が法令に定める障害の状態にあれば、障害認定日以降に障害年金を請求することで、令和5年10月分から受け取れます。 (2)事後重症による請求 障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しなかった方でも、その後病状が悪化し、法令に定める障害の状態になったときには請求日の翌月分から年金を受け取ることができます。このことを「事後重症による請求」といいます。 【例2】 初診日 平成28年10月25日 障害認定日 平成30年4月25日(初診日から1年6カ月) ※障害認定日において障害年金に該当しない状態 人工透析開始 令和5年10月10日 請求日 令和5年10月25日 ※請求日において障害年金に該当する状態 年金決定のお知らせ 令和6年1月頃 初回振込日 令和6年2月頃 ○受け取りは令和5年11月分からですが、初回の振り込みは令和6年2月に3カ月分(令和5年11月分~令和6年1月分)となります。 <解説> 「例2」のケースでは、初診日は平成28年10月25日となります。障害認定日には、症状が軽かったので、障害年金には該当しませんでした。しかし、令和5年10月10日から人工透析(2級相当)を開始したため、人工透析開始日以降に障害年金を請求することで事後重症による障害年金を請求日の翌月分(請求日が令和5年10月25日の場合、令和5年11月分からの受け取りになります。)から受け取れます。 ※請求日が令和5年11月中となった場合は、令和5年12月分からの受け取りになり、請求日が遅くなると受け取りの開始時期が遅くなります。障害年金を受け取ることができる状態になった場合は、速やかにご請求ください。(請求書は、65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。) 7ページ 8 障害年金に該当する状態 障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、障害の程度(障害等級1~3級)が定められています。 ※身体障害者手帳の等級とは異なります。 (1)障害の程度1級 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。 (2)障害の程度2級 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。 (3)障害の程度3級 労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。 (4)障害年金の請求等に用いる診断書様式の種類(参考) ①目の障害用 ②聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・音声又は言語機能の障害用 ③肢体の障害用 ④精神の障害用 ⑤呼吸器疾患の障害用 ⑥循環器疾患の障害用 ⑦腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用 ⑧血液・造血器・その他の障害用 8ページ 9 障害等級表(参考) ※身体障害者手帳の等級とは異なります。 ※視覚障害については、令和4年1月1日付で、障害等級表が改正されています。 (1)障害の程度 1級の障害の状態 ※国民年金法施行令別表 ①次に掲げる視覚障害 イ 両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの ロ 一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの ハ ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつⅠ/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの ニ 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの ②両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの ③両上肢の機能に著しい障害を有するもの ④両上肢の全ての指を欠くもの ⑤両上肢の全ての指の機能に著しい障害を有するもの ⑥両下肢の機能に著しい障害を有するもの ⑦両下肢を足関節以上で欠くもの ⑧体幹の機能に座っていることができない程度又は立ちあがることができない程度の障害を有するもの ⑨前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの ⑩精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの ⑪身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの (2)障害の程度 2級の障害の状態 ※国民年金法施行令別表 ①次に掲げる視覚障害 イ 両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの ロ 一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの ハ ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつⅠ/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの ニ 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの ②両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの ③平衡機能に著しい障害を有するもの ④そしゃくの機能を欠くもの ⑤音声又は言語機能に著しい障害を有するもの ⑥両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの ⑦両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの ⑧一上肢の機能に著しい障害を有するもの ⑨一上肢の全ての指を欠くもの ⑩一上肢の全ての指の機能に著しい障害を有するもの ⑪両下肢の全ての指を欠くもの ⑫一下肢の機能に著しい障害を有するもの ⑬一下肢を足関節以上で欠くもの ⑭体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの ⑮前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの ⑯精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの ⑰身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの (3)障害の程度 3級の障害の状態(厚生年金保険のみ) ※厚生年金保険法施行令別表第1 ①次に掲げる視覚障害 イ 両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの ロ ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下に減じたもの ハ 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下に減じたもの ②両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの ③そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの ④脊柱(せきちゅう)の機能に著しい障害を残すもの ⑤一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの ⑥一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの ⑦長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの ⑧一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの ⑨おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの ⑩一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの ⑪両下肢の10趾(し)の用を廃したもの ⑫前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ⑬精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ⑭傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働大臣が定めるもの (4)障害の程度 障害手当金の障害の状態(厚生年金保険のみ) ※厚生年金保険法施行令別表第2 ①両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの ②一眼の視力が0.1以下に減じたもの ③両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの ④両眼による視野が2分の1以上欠損したもの、ゴールドマン型視野計による測定の結果、Ⅰ/2視標による両眼中心視野角度が56度以下に減じたもの又は自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が100点以下若しくは両眼中心視野視認点数が40点以下に減じたもの ⑤両眼の調節機能及び輻輳(ふくそう)機能に著しい障害を残すもの ⑥一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの ⑦そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの ⑧鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの ⑨脊柱の機能に障害を残すもの ⑩一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの ⑪一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの ⑫一下肢を3センチメートル以上短縮したもの ⑬長管状骨に著しい転位変形を残すもの ⑭一上肢の2指以上を失ったもの ⑮一上肢のひとさし指を失ったもの ⑯一上肢の3指以上の用を廃したもの ⑰ひとさし指を併せ一上肢の2指の用を廃したもの ⑱一上肢のおや指の用を廃したもの ⑲一下肢の第1趾又は他の4趾以上を失ったもの ⑳一下肢の5趾の用を廃したもの ㉑前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ㉒精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの (備考)視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。 9ページ 10 障害年金・障害手当金の額 (1)障害基礎年金・障害厚生年金の等級と年金額 ※年金額等は、令和6年度の金額です。 障害の状態により、障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級~3級の年金を受け取ることができます。また、障害厚生年金の1級・2級に該当する場合は、障害基礎年金もあわせて受け取ることができます。 なお、障害年金の1級は、2級の1.25倍となります。 【図表】イメージのため、実際の支給額と異なる場合があります。 ○障害の程度1級の場合、令和6年度は、 厚生年金(2階)は、障害厚生年金の報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金(※2)、国民年金(1階)は、障害基礎年金1,020,000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は1,017,125円)+子の加算(※2)となります。 ○障害の程度2級の場合、令和6年度は、 厚生年金(2階)は、障害厚生年金の報酬比例の年金額(※1)+配偶者の加給年金(※2)、国民年金(1階)は、障害基礎年金816,000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は813,700円)+子の加算(※2)となります。 ○障害の程度3級の場合、令和6年度は、 厚生年金(2階)は、障害厚生年金の報酬比例の年金額(※3)、国民年金(1階)はありません。 ○障害手当金の場合、令和6年度は、 厚生年金(2階)は、障害手当金(※4)となります。国民年金(1階)はありません。 (※1)報酬比例の年金額の計算式は下記(2)を参照してください。 (※2)対象者がいる方のみ加算されます。支給額は10ページの(3)を参照してください。 (※3)障害厚生年金3級の最低保障額は612,000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は610,300円)となります。 (※4)(報酬比例額の年金額×2)を一時金として支給します。最低保障額は1,224,000円(昭和31年4月1日以前に生まれた方は1,220,600円)となります。 (2)障害年金額(報酬比例)・障害手当金額の計算式 報酬比例の年金額は、次のAとBを合計した額となります。 A:平成15年3月以前の加入期間の金額 平均標準報酬月額(※1)×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数(※3) B:平成15年4月以降の加入期間の金額 平均標準報酬額(※2)×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数(※3) (※1)平均標準報酬月額 平成15年3月以前の標準報酬月額の総額を、平成15年3月以前の加入期間で割って得た額です。 (※2)平均標準報酬額 平成15年4月以降の標準報酬月額と、標準賞与額の総額を平成15年4月以降の加入期間で割って得た額です。 (※3)加入期間の月数 加入期間の合計が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。また、障害認定日がある月後の加入期間は、年金額計算の基礎となりません。 10ページ (3)加給年金額と子の加算額 1級・2級の障害基礎年金または障害厚生年金を受け取ることができる方に、生計を維持されている下記の対象者がいる場合に受け取ることができます。 【図表】 ○配偶者 名称:加給年金額 令和6年度の金額:234,800円 加算される年金:障害厚生年金 年齢制限:65歳未満であること(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません) ○子2人まで 名称:加算額 令和6年度の金額:1人につき234,800円 加算される年金:障害基礎年金 年齢制限:18歳になった後の最初の3月31日までの子、20歳未満で障害等級1級・2級の障害の状態にある子 ○子3人目から 名称:加算額 令和6年度の金額:1人につき78,300円 加算される年金:障害基礎年金 年齢制限:18歳になった後の最初の3月31日までの子、20歳未満で障害等級1級・2級の障害の状態にある子 ※配偶者が、老齢厚生年金、退職共済年金(加入期間20年以上または中高齢の資格期間の短縮特例に限る)の受給権を有するときや、障害年金を受け取る間は、加給年金額は支給停止されます。 ※児童扶養手当の受給者の方やその配偶者が、公的年金制度から年金を受けるようになったり、年金額が改定された場合は、市区町村から支給されている児童扶養手当が支給停止または一部支給停止される可能性があります。 詳しくは、お住いの市区町村の児童扶養手当担当窓口にお問い合わせください。 11 年金の支給制限・調整 (1)20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限 20歳前に初診日がある方の障害基礎年金については、年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して制限や調整があります。 〇前年所得額が4,721,000円(※1)を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,704,000円(※2)を超える場合は年金の2分の1の額が支給停止となります。 前年所得に基づく支給対象期間は、『10月分から翌年9月分まで』です。 (※1)(※2)は扶養親族等がいない場合の所得額です。 〇恩給や労災保険の年金等を受給しているときは、その受給額について障害基礎年金の年金額から調整されます。 〇海外に居住したときや刑務所等の矯正施設に入所した場合は、年金の全額が支給停止となります。 (2)業務上の病気やけがによる支給調整等 同一の病気やけがによって、障害年金と労災保険の障害給付が行われるときは、労災保険の給付の一部が減額される場合があります。 また、同一の病気やけがで労働基準法の規定による傷害補償を受けることができるときは、6年間、障害年金を受け取ることができません。 11ページ (3)障害年金と他の年金の調整 公的年金は一人1年金が原則ですが、65歳以上の方は、障害基礎年金とご自身の老齢厚生年金または遺族厚生年金をあわせて受け取ることができます。 ①支給事由の異なる2つ以上の年金を受けられるとき(65歳以後) ア 障害基礎年金と老齢厚生年金 障害基礎年金を受けている方が、〔老齢基礎年金と老齢厚生年金〕を受けられるようになったときは、65歳以後、障害基礎年金と老齢厚生年金をあわせて受けることができ、次の(ア)~(ウ)のいずれかの組み合わせを選択することになります。 (ア)老齢厚生年金と老齢基礎年金 (イ)障害厚生年金と障害基礎年金 (ウ)老齢厚生年金と障害基礎年金 イ 障害基礎年金と遺族厚生年金 障害基礎年金を受けている方が、遺族厚生年金を受けられるようになったときは、65歳以後あわせて受けることができます。また、〔遺族基礎年金と遺族厚生年金〕を受けている方が障害基礎年金を受けられるようになったときも同様に、次の(ア)~(ウ)のいずれかの組み合わせを選択することになります。 (ア)遺族厚生年金と遺族基礎年金 (イ)障害厚生年金と障害基礎年金 (ウ)遺族厚生年金と障害基礎年金 ②支給事由の異なる2つ以上の年金を受けられるとき(65歳前) ア 障害年金と他の年金 支給事由の異なる2つ以上の年金を受けられるときには、ご本人が次の(ア)(イ)いずれか1つの年金を選択することになります。 (ア)障害厚生年金と障害基礎年金 (イ)遺族厚生年金 12ページ 12 Q&A (1)障害年金の対象となる病気やけがとは Q1 障害年金の対象となる病気やけがにはどのようなものがありますか? A1 障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて請求することができます。 障害年金の対象となる病気やけがは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害や内部障害も対象になります。 病気やけがの主なものは次のとおりです。 1.外部障害 眼、聴覚、音声又は言語機能、肢体(手足など)の障害など 2.精神障害 統合失調症、双極性障害、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など 3.内部障害 呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど (2)初診日を証明する書類を準備することができないとき Q2 初めて医師等の診療を受けた病院が廃院となっており、初診日を証明する書類を準備することができません。どうすればよいですか? A2 障害年金の請求時には、初診日を特定するために、初診日証明書類をご提出いただきますが、初診時の医療機関の証明が得られない場合でも、初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、ご本人の申し立てた日が初診日と認められる場合があります。 詳しくは、お近くの年金事務所などへご相談ください。 (3)障害認定日から複数年経過しているとき Q3 障害認定日(初診日から1年6カ月経過した日)から複数年経過していますが、障害年金はどのように請求すればよいですか? A3 障害認定日から1年以上経過している場合であっても、障害認定日時点の障害の状態がわかる診断書と現在の障害の状態(請求日前3カ月以内の症状)がわかる診断書をご用意いただくことにより、障害年金を請求することができます。 ただし、5年以上前の年金については、時効により受け取ることができません。 13ページ (4)障害の状態が変わったとき Q4 現在、3級の障害厚生年金を受け取っていますが、障害の状態が悪化しました。1級または2級に障害等級を変更することはできますか? A4 65歳になるまでに障害の状態が悪くなった場合は、年金額を改定する請求ができます。(請求書は、65歳の誕生日の前々日までの間に提出する必要があります。) なお、過去に一度でも障害基礎年金の受給権を有したことがある方(障害等級2級以上に該当した方)は、65歳を過ぎても年金額を改定する請求ができます。 年金額の改定は、ご本人の請求によるほか、日本年金機構へ定期的に提出する診断書により行われます。 (5)2つ以上の障害の状態になったとき Q5 2級の障害基礎年金・障害厚生年金を受け取っていますが、別のけがで障害が残りました。前後の障害をあわせて障害年金を受け取ることはできますか? A5 2級の障害年金を受け取っている方が、65歳になるまでにさらに別の病気やけがで2級の障害年金を受け取れるようになった場合は、前後の障害をあわせて1級として認定し、1つの障害基礎年金・障害厚生年金を受け取れます。 また、後の障害が3級に該当するときなどは、65歳になるまでに2つの障害をあわせて障害の状態が重くなった場合、年金額を改定する請求ができます。 ※請求書は、いずれも65歳の誕生日の前々日までの間に提出する必要があります。 (6)障害手当金の障害の状態に該当したとき Q6 老齢厚生年金を受け取っています。障害手当金を受け取ることはできますか? A6 老齢厚生年金を受け取っている方は、障害手当金を受け取ることができません。 また、障害認定日において次に該当する方は、障害手当金を受け取ることができません。 ○国民年金、厚生年金または共済年金を受け取っている方 ○労働基準法または労働者災害補償保険法等により障害補償を受け取っている方 ○船員保険法による障害を支払事由とする給付を受け取っている方 (7)健康保険の傷病手当金を受給していたことがあるとき Q7 同じ病気で傷病手当金を受給していたことがありますが、どのようになりますか? A7 過去に傷病手当金を受給した期間に対して、同一の病気やけがで障害厚生年金をさかのぼって受給できることとなった場合は、受給済みの傷病手当金が調整されます。 詳しくは、「協会けんぽ」等(※)へお問い合わせください。 (※)「協会けんぽ」等とは、傷病手当金を受給していた健康保険の保険者(協会けんぽ、健康保険組合等があります)のことです。 14ページ 13 障害年金の請求手続き 障害基礎年金・障害厚生年金・障害手当金(一時金)を受け取るためには、年金の請求手続きが必要です。障害の状態になった場合は、お近くの年金事務所などにご相談ください。 (1)請求書類などの提出先 ①障害基礎年金 20歳前に初診日がある方や国民年金加入中に初診日がある方などは、お近くの年金事務所、街角の年金相談センター、お住まいの市(区)役所または町村役場へ提出してください。 ②障害厚生年金・障害手当金(一時金) 厚生年金加入中に初診日がある方は、お近くの年金事務所、街角の年金相談センター(初診日時点で共済組合等に加入していた方は、初診日時点で加入していた共済組合等)へ提出してください。 (2)手続きの流れ ①初診日を確認のうえ、年金事務所や市(区)役所または町村役場に相談します。 ○事前に保険料の納付要件や手続きに必要な書類(診断書など)を確認します。 ②「年金請求書」を年金事務所や市(区)役所または町村役場に提出します。 ○日本年金機構で、障害の状態の認定や障害年金の決定に関する事務が行われます。 〇日本年金機構のホームページに年金請求書の記入方法等が確認できる動画を掲載しています。アドレスは、https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/shougainenkinseikyu.htmlです。 ③「年金証書」「年金決定通知書」「年金を受給される皆様へ(パンフレット)」が日本年金機構からご自宅に届きます。 ○年金請求書の提出から、3カ月程度で届きます。 ※主治医に障害の状態の再確認をお願いする必要がある場合等は、審査に時間を要します。 ○パンフレットには、必要な届出などを記載しています。年金証書と一緒に大切に保管し、必要なときに読み返してお役立てください。 ○障害年金を受け取れない場合には、日本年金機構から不支給決定通知書が送付されます。 ④年金証書がご自宅に届いてから約1~2カ月後に、年金の振り込みが始まります。 ○年金請求時に指定された口座へ、偶数月に2カ月分振り込まれます。 ※障害年金を受給されている方には、障害の状態に応じて提出が必要となる年に、障害の状態を確認するため「障害状態確認届(診断書)」を誕生月の3カ月前の月末に送付します。 障害状態確認届(診断書)が届いたときは、「診断書」欄を医師等に記載してもらい、誕生月の末日までに提出してください。 15ページ 14 お問い合わせ先 ご不明な点は、お近くの年金事務所、街角の年金相談センターにご相談ください。 障害年金の一般的なお問い合わせは、ねんきんダイヤルもご利用いただけます。 また、ファクシミリによるご相談も実施しています。 年金のお問い合わせは『ねんきんダイヤル』へ! 来訪相談のご予約は『予約受付専用電話』へ! 『ねんきんダイヤル』年金相談に関する一般的なお問い合わせ ナビダイヤル0570-05-1165 050から始まる電話でおかけになる場合は(東京)03-6700-1165 【受付時間】  月曜日 午前8時30分~午後7時 火曜~金曜日 午前8時30分~午後5時15分 第2土曜日 午前9時30分~午後4時 ※月曜日が祝日の場合は、翌日以降の開所日初日に午後7時まで相談をお受けします。 ※土曜日、日曜日、祝日(第2土曜日を除く)、12月29日~1月3日はご利用いただけません。 来訪相談のご予約は『予約受付専用電話』へ ナビダイヤル0570-05-4890 050から始まる電話でおかけになる場合は(東京)03-6631-7521 【受付時間】 月曜~金曜日(平日) 午前8時30分~午後5時15分 ※土曜日、日曜日、祝日、12月29日~1月3日はご利用いただけません。 お問い合わせ、ご予約の際は、基礎年金番号がわかるものをご用意ください。 ○ナビダイヤルは、一般の固定電話からおかけになる場合は、全国どこからでも市内通話料金でご利用いただけます。ただし、一般の固定電話以外(携帯電話等)からおかけになる場合は、通常の通話料金がかかります。なお、通話料定額プランの対象外となります。 ○「(東京)03-6700-1165」「(東京)03-6631-7521」の電話番号におかけになる場合は、通常の通話料金がかかります。 ○「0570」の最初の「0」を省略したり、市外局番をつけて間違い電話になっているケースが発生していますので、おかけ間違いのないようご注意ください。 ○月曜日など休日明けやお客様のお手元に通知書が届いた直後(5日間程度)は、電話がつながりにくくなっております。週の後半と月の後半は、つながりやすくなっておりますので、どうぞご利用ください。 ○代理人(二親等以内)の方からお問い合わせいただく場合は、ご本人の基礎年金番号に加え、代理人の方の基礎年金番号も必要となります。 ○年金事務所等の窓口で年金請求の手続きや、受給している年金についての相談を希望される方は、ぜひ、予約相談をご利用ください。 ファクシミリによるご相談 ○耳や発声が不自由なため電話による年金相談を行うことが困難な方は、ファクシミリによる年金相談をご利用ください。 ○相談に当たっては、日本年金機構のホームページからダウンロードした「文書相談受付票(ファクシミリ)」に必要事項を記入し、注意事項等をご確認のうえ、お近くの年金事務所にファクシミリでお送りください。 日本年金機構のホームページもご利用ください。 アドレスは、https://www.nenkin.go.jp/です。または、「日本年金機構」で検索してください。 ○年金の基礎知識、全国の年金事務所の所在地と電話番号、ファクシミリ番号などがご確認いただけます。 ○“ねんきんネット”では、24時間いつでもどこでも、パソコンやスマートフォンからご自身の年金情報を確認することができます。マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルからのご利用登録が便利です。