Q.平成25年4月から、特別支給(60歳台前半)の老齢厚生年金を受けながら働いている65歳未満の厚生年金保険の被保険者に限らず、60歳以上の被保険者に、退職後継続再雇用する場合の届書の提出の仕方が変わったのは、どういう理由からですか。

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更新日:2013年5月30日

A.お答えします

(平成22年8月までの取扱い)

 老齢厚生年金を受けながら働いている厚生年金保険の被保険者の年金額は、事業所から支払われる報酬額により決定された標準報酬月額と調整(全額停止または一部支給停止)されますが、定年退職し翌日付けで同じ事業所に低い報酬額で継続して勤務した場合は、一旦資格を喪失して再取得することが認められていましたので、再取得後に新たに決定された標準報酬月額に基づき、翌月から支給される老齢厚生年金の額が見直されました。
 しかし、定年以外の理由で同じ事業所に低い報酬額で継続して勤務した場合は、同様の届書の提出が認められていなかったので、再雇用後の低い報酬額が支払われた以後4か月目に標準報酬月額が改定され(注)、その翌月(5か月目)から支給される老齢厚生年金の額が見直されるため、それまでの間の老齢厚生年金は、受取り額が少ないまま、または全額停止されたままでした。

(平成22年9月からの取扱い)

 上記のとおり、定年制がある事業所とそうでない事業所との間で取扱いに相違があることは不公平であるという意見や要望に応えるため、また高齢者の継続再雇用を促進していくために、定年以外の理由による場合も、一旦資格を喪失して再取得する取扱いが認められるようになりました。

(平成25年4月からの取扱い)

 特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、昭和28年4月2日から昭和30年4月1日に生まれた男性は61歳から支給開始となるため、60歳で継続再雇用されても一旦資格を喪失して再取得する取扱いは認められませんでした。高齢者の雇用については、多くの事業所で継続雇用制度を導入しており、60歳以上の多くの被保険者が継続雇用されていることから特別支給の老齢厚生年金を受けているか否かにかかわらず、60歳以降に継続再雇用された場合に、この取扱いが認められるよう対象者の拡大が図られました。

(注)

被保険者の厚生年金保険の保険料額は、事業所から支払われる報酬額により算定された標準報酬月額によって決定されます。この標準報酬月額は、昇降給以後3か月間に支払われた報酬額の平均を、保険料額表にあてはめて導き出された標準報酬月額等級と、従前の等級との間に2等級以上の差が生じた場合に、4か月目から改定される取扱いになっています。