被用者の年金制度の一元化
ページID:170010010-819-981-289
更新日:2020年3月6日
平成27年10月1日に「被用者年金一元化法」が施行され、これまで厚生年金と共済年金に分かれていた被用者の年金制度が厚生年金に統一されました。主な変更点は次のとおりです。
- 統一後の厚生年金に関する届書等は、ワンストップサービスとして日本年金機構または各共済組合等のどの窓口でも受付します。
- 平成27年10月以降の統一後の厚生年金の決定・支払は、これまでどおり、日本年金機構または各共済組合等がそれぞれ行います。
- 共済組合等の加入期間がある方で、統一後に年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方については、共済組合等のほか、日本年金機構の窓口でも相談できます。
1.届書等の受付
統一後の厚生年金に関する届書等(※1)は、ワンストップサービスとして日本年金機構(年金事務所)または各共済組合等の実施機関(※2)のどの窓口でも受付します。
また、これまで他の実施機関に係る加入期間や年金の受給を明らかにする書類として、「年金加入期間確認通知書」や「年金証書」等の提出が必要でしたが、原則として添付が不要となります。
※1
(1)統一前に権利が発生した共済年金に関する各種届書等は従来どおり各共済組合等が受付します。
(2)障害給付の届書等の一部の届書を除きます。
(3)年金の請求書は、現在加入しているまたは最後に加入していた実施機関から郵送されます。
※2
実施機関とは、厚生労働大臣(日本年金機構)、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済を指します。
2.年金の決定・支払
(1)統一後の老齢厚生年金および遺族厚生年金(長期要件:年金を受けている方が亡くなった場合等)は、それぞれの加入期間ごとに各実施機関が決定・支払を行います。
(2)統一後の障害厚生年金、障害手当金および遺族厚生年金(短期要件:被保険者が亡くなった場合等)については、初診日または死亡日に加入していた実施機関が他の実施機関の加入期間分も含め年金額を計算し、決定・支払を行います。
(3)統一後の複数の老齢厚生年金を受ける権利のある方が、老齢厚生年金の繰下げ請求を行う場合は、すべての老齢厚生年金について繰下げ後の年金が支給されます。
3.年金相談
共済組合等の加入期間がある方で、統一後に厚生年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方は、共済組合等のほか、日本年金機構(年金事務所)の窓口でも相談ができます。
(注)統一前に権利が発生した退職共済年金などの共済年金に関する相談を行うことはできません。
(1)年金事務所で相談を行うことができるのは、統一後の厚生年金に関する相談です。
(2)各共済組合等が管理する受給者記録および被保険者記録について、年金事務所で行える照会の内容は次のとおりです。
年金の受給資格の有無に関する照会
統一後の厚生年金を受ける権利が発生する方からの年金を受けるために必要な資格期間に関する照会
受給者記録に関する照会
各共済組合等が支払を行う統一後の厚生年金について、年金額、年金額の変更理由、支払額等に関する照会。
ご注意ください
年金額の決定、改定に至った経緯等を確認される場合は、決定・処分を行った各共済組合等に直接照会していただく必要があります。
被保険者記録に関する照会
各共済組合等の加入期間を有する方からの被保険者記録(加入期間や標準報酬月額等)に関する照会。
ご注意ください
共済組合等で管理する加入期間の調査を依頼する場合や標準報酬月額等の決定に至った経緯を確認する場合は、各共済組合等に直接照会していただく必要があります。
4.その他
被用者年金の統一にあわせて次の事項も変更されました。
(1)年金額と支払額の端数計算が変更されました。
- 年金額について、統一前の厚生年金は百円単位(50円未満切捨て50円以上切上げ)でしたが、全て一円単位(50銭未満切捨て50銭以上切上げ)に変更されました。
- 年金の各支払期の端数処理について、統一前の厚生年金は各支払月に1円未満の端数が生じたときは切り捨てていましたが、統一後は切り捨てた金額の合計額を翌年2月にお支払いする年金額に加算します。
(2)在職支給停止の計算方法が変更されました。
複数の実施機関から統一後の老齢厚生年金を受けている方が在職中の場合は、それぞれの年金額を合算したうえで支給停止額を決定します。そのうえで、この支給停止総額をそれぞれの年金額に応じて按分した額が、それぞれの老齢厚生年金の支給停止額となります。
(注)統一前から老齢厚生年金(退職共済年金)を受け、かつ、統一前から引き続き被保険者である方は、その被保険者期間の資格を喪失するまでの間に限り、支給停止額に関する激変緩和措置(急激に年金額が下がらないようにする措置)が講じられます。
(3)障害年金の支給要件(保険料納付要件)を厚生年金の取扱いに統一しました。
(4)共済年金にある遺族給付の転給制度を廃止しました。
(5)共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)が廃止され、新たに「年金払い退職給付」が創設されました。