協定相手国別の注意事項(インド)

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更新日:2022年3月9日

1.日本の年金制度との協定の対象となるインドの年金制度

インドとの協定においては、インド側の年金制度としては、被用者年金(EPS:Employees' Pension Scheme)および被用者積立基金(EPF:Employees' Provident Fund)を対象としています。
このうち、被用者積立基金(EPF)については、退職時に一時金として給付を受ける制度のため、二重加入防止のための規定の対象となりますが、年金保険期間を通算するための規定の対象とはなりません。

2.海上航行船舶の乗組員の取り扱い

両国の社会保障制度の適用を受ける被用者が、一方の国の旗を掲げる海上航行船舶において就労している場合、その旗の掲げる一方の国の年金制度が適用になりますが、当該被用者が他方の国の事業所に雇用されている場合は、その事業所の所在する当該他方の国の年金制度が適用になります。

3.国際線航空乗組員の取り扱い

国際運輸に従事する航空機において就労する被用者については、その雇用者の所在する締約国の強制加入に関する法令のみを適用することとなります。

4.一時派遣期間の延長について

予見できない事情により5年を超えて派遣期間が延長される場合については、申請に基づき、両国で個別に判断の上合意した場合に3年までは派遣先の年金制度が引き続き免除されます。
また、派遣期間が8年を超える場合でも、派遣者の収入が一定額を超えるためインドの被用者年金(EPS)に加入できない場合には、申請に基づき、両国で個別に判断の上合意した場合に日本の年金制度に継続して加入することとなります。

5.自営業者の取り扱い(対象外)

協定の対象となるインドの年金制度は、被用者のみを対象としていることから、自営業者は対象となりません。

6.インド年金の加入期間要件への日本期間の通算

インドの被用者年金(EPS)では、最低加入期間の10年を満たすことにより支給されることになりますが、この加入要件を満たさない場合には、重複しない日本の年金保険期間を通算することができます。
通算を行った結果、10年間の加入期間に到達しない被保険者については、定められた乗数によって計算された額が支給されます。

7.インド年金制度の加入期間の日本の年金制度の加入期間への通算

日本の年金加入期間のみでは日本の厚生年金保険および国民年金の年金給付の受給資格要件を満たさない場合には、日本の年金保険期間と重複しないインドの被用者年金(EPS)の加入期間を算入することができます。
ただし、EPSの脱退給付を受けた期間は通算できませんのでご留意願います。
また、被用者積立基金(EPF)については、退職時に一時金として給付を受ける制度のため、保険期間には通算できません。

8.インド年金の受取方法

日本に在住している人は、日本国内またはインド国内の銀行口座により、インドの年金を受け取ることができます。

9.被用者積立基金(EPF)の請求について

協定発効前の被用者積立基金(EPF)の受給資格は、インドにおける雇用関係が終了していることに加えて年齢が58歳に到達している必要がありましたが、協定発効後はインドにおける雇用関係が終了した時点で受給資格を満たすことになります。
また、被用者積立基金(EPF)の請求書については、被用者年金(EPS)と同様に日本の年金事務所で受け付けることができます。

10.インド年金の支給について

支給開始年齢到達(58歳)以降の請求(例えば60歳で請求)であっても、支給開始年齢時から受給することができます。

11.インド年金請求書の受付について

インドの被用者年金(EPS)および被用者積立基金(EPF)を請求するにあたっては、請求書に1ルピー印紙の貼付が必要とされています。
1ルピー印紙はお勤めされていたインドの事業所等を通じて確保して頂くようお願いします。
なお、1ルピー印紙が貼付されていなくても年金事務所で受け付け、インドの管轄機関に転送しますが、その後は、当該機関より申請者本人へ直接連絡が行われることになります。

12. 協定発効前からインドに派遣されている方の手続き

協定の発効時から協定の「一時派遣」として認められ、日本の年金制度にのみ引き続き加入することになった場合には、インドの実施機関(EPFO)に対してインド制度の被保険者資格喪失の手続きを行う必要があります。その際には、EPFOからの求めに応じ、日本で発行された適用証明書を提示してください。
なお、インド制度の2016年10月以降の保険料が徴収された場合であっても、遡って当該保険料の支払義務は免除されます。この場合のインド制度の被保険者資格喪失の具体的な手続きや協定発効日以降に発生した保険料の過払いへの対応につきましては、インド国内制度との関係もありますので、直接EPFOにご相談いただきますようお願いいたします。

13.インド在住者の所得税の取り扱い

インドに居住している人が日本の年金を受給する場合、年金に対する所得税はインドで課税対象となり、日本では非課税となります。
この取り扱いを受けるためには、「租税条約に関する届出書(様式9)」を提出する必要があります。
届出書を日本の 新規ウインドウで開きます。国税庁のホームページ(外部リンク)から取得して、二部作成し、日本年金機構本部に提出する必要があります。