協定相手国別の注意事項(スペイン)

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更新日:2022年3月9日

1.海上航行船舶の乗組員の取り扱い

両国の社会保障制度の適用を受ける被用者が、一方国の旗を掲げる海上航行船舶において就労している場合、その旗を掲げる国の社会保障制度が適用になりますが、当該被用者が他方国の事業所に雇用されている場合は、当該事業所の属する社会保障制度が適用になります。なお、船上の自営業者については、スペイン社会保障制度は適用されません。適用証明書の交付手続きについては、被用者の取り扱いと同様になります。

2.国際線航空乗務員の取り扱い

国際運輸に従事する航空において就労する被用者については、その雇用者の所在する締約国の強制加入に関する法令のみを適用することとなります。

3.スペイン労災保険の取り扱い

日本からスペインに一時的に派遣され、日本の適用証明書の交付を受けた人は、適用証明書とパスポートの写しをスペイン事業所に提出することにより、スペインの年金制度が免除されます。スペインの年金制度が免除されると、スペインの他の社会保障制度(医療保険、雇用保険)も併せて免除されますが、スペインの労災保険制度には加入する必要がありますので、スペイン事業所または自営業者本人は、スペインの法令に従ってスペイン労災保険制度への加入手続きを行ってください。詳しくは、下記のスペイン社会保障出納院(TGSS)にお聞きください。

4.一時就労期間の延長について

予見できない事情など特別な事情があり5年を超えて派遣(自営活動)期間が延長される場合については、申請に基づき、両国で個別に判断の上合意した場合に、3年を超えない期間は派遣元の年金制度にのみ引き続き適用されることができます。延長の申請には、延長する理由を届け出る必要がありますが、2年以上3年以内の延長の場合は、その理由を詳細に届け出る必要があります。延長が認められなかった場合は、当初派遣から5年以降は、派遣先の国の制度のみに適用されることになります。

5.スペイン年金加入期間要件への日本期間の通算方法

スペイン保険期間だけではスペインの給付を受ける要件を満たさない場合、日本の保険期間をスペイン保険期間とみなします。ただし、スペインの保険期間が1年未満である場合には、この取り扱いは行われません。
また、スペインの障害または遺族給付については、日本の年金加入期間中に障害または死亡が生じた場合にも、給付を受けることができます。

6.スペイン年金の計算方法

協定に基づきスペインの年金額を計算する場合には、次のいずれか高い額を支給することとなります。
(1)スペインの保険期間のみに基づく計算により算出した額
(2)日本の保険期間をスペインの保険期間とみなして計算を行い、その算定額をスペインの保険期間と比例按分した額

7.スペイン年金の消滅時効

スペインの年金は、受給権発生の3カ月前から請求手続きを行うことができます。請求要件が満たされた月の3カ月以内に請求をした場合、その要件が満たされた月分から支給が開始されますが、受給権獲得日と申請日に3カ月以上開きがある場合は、3カ月までは遡及して支給されます。

8.スペイン年金の受取方法

スペイン年金は、年14回(申請者の希望により支払回数を半年、四半期に変更することも可能)、小切手または銀行送金により支払われます。支払いはユーロにより行われますが、日本円に換金されて支払われます。

9.スペイン在住者の所得税の取り扱い

スペインに居住している人が日本の年金を受給する場合、年金に対する所得税はスペインで課税対象となり、日本では非課税となります。
この取り扱いを受けるためには、「租税条約に関する届出書(様式9)」を提出する必要があります。
届出書を日本の 新規ウインドウで開きます。国税庁のホームページ(外部リンク)から取得して、二部作成し、日本年金機構本部に提出する必要があります。