離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)
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更新日:2022年2月24日
3号分割制度
平成20年5月1日以後に離婚等をし、以下の条件に該当したときに、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。また、請求にあたっては、当事者双方の合意は必要ありません。ただし、分割される方が障害厚生年金の受給権者で、この分割請求の対象となる期間を年金額の基礎としている場合は、3号分割請求は認められません。
- 婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること。
- 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと。
この分割制度により、厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割した場合は、当事者それぞれの老齢厚生年金等の年金額は、分割後の記録に基づき計算されます。
分割をした方
ご自身の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)から、相手方に分割をした標準報酬月額・標準賞与額を除いたその残りの標準報酬月額・標準賞与額に基づき、年金額が計算されます。
分割を受けた方
ご自身の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)と相手方から分割された標準報酬月額・標準賞与額に基づき、年金額が計算されます。なお、分割後の標準報酬月額・標準賞与額に基づく老齢厚生年金を受けるには、ご自身の厚生年金の加入期間や国民年金の保険料を納付した期間等によって受給資格期間を満たしていることや生年月日に応じて定められている支給開始年齢に到達していることが必要です。
- 年金分割の効果は、厚生年金の報酬比例部分(厚生年金基金が国に代行して支給する部分を含む。)に限られ、国民年金の老齢基礎年金等には影響はありません。
- 現に老齢厚生年金を受けている場合は、年金分割の請求をした月の翌月分から年金額が変更されます。
注意
- 分割の対象となるのは、婚姻期間中の記録のみです。
- 老齢基礎年金を受給するための支給要件は、当事者自身の年金記録によって判断されます。
3号分割の請求手続き
3号分割の請求手続き
3号分割の請求は、原則、離婚をした後に行うことができます。「標準報酬改定請求書」に、下記1から4の書類を添えてお近くの年金事務所にご提出ください。
なお、3号分割のみ請求する場合は、お二人の合意は必要がなく、第3号被保険者であった方からの手続きによって年金分割が認められます。
1.基礎年金番号またはマイナンバーを明らかにすることができる書類
- 請求書に基礎年金番号を記入するとき
請求者の基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類 - 請求書に個人番号(マイナンバー)を記入するとき
個人番号カード(マイナンバーカード)等
2.婚姻期間等を明らかにすることができる書類
- 婚姻期間を明らかにすることができる書類
それぞれの戸籍謄本(全部事項証明書)、または戸籍抄本(個人事項証明書)のいずれかの書類
(請求日から6カ月以内に作成され、婚姻日および離婚日が確認できるもの) - 事実婚関係にあるとき
事実婚関係にある期間の情報通知書等を請求する場合は、その事実を明らかにすることができる書類(住民票等)
3.請求日前1カ月以内に作成されたお二人の生存を証明できる書類
それぞれの戸籍謄本(全部事項証明書)、戸籍抄本(個人事項証明書)または住民票のいずれかの書類(注)
(注)請求書に個人番号(マイナンバー)を記入することで省略できます。
4.離婚の届出をしていないが事実上離婚状態にあることを理由に3号分割を請求する場合
離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあることを明らかにすることができる書類(住民票等)および双方が当該事情を認めている旨の申立書(お二人それぞれの署名があるものに限る。)
様式および記入方法
下記リンク先に様式があります。
お近くの年金事務所および街角の年金相談センターにも備え付けてあります。
- 標準報酬改定請求書
- 年金分割の合意書
- 委任状(年金分割の合意書請求用)
合意分割と3号分割が同時に行われる場合
合意分割の請求が行われた場合、婚姻期間中に3号分割の対象となる期間が含まれるときは、合意分割と同時に3号分割の請求があったとみなされます。
したがって、3号分割の対象となる期間は、3号分割による標準報酬の分割に加え、合意分割による標準報酬の分割も行われます。
分割請求の期限
分割請求期限の原則
分割請求の期限は、原則として、次に掲げる事由に該当した日の翌日から起算して2年以内です。
- 離婚をしたとき(※)
- 婚姻の取り消しをしたとき(※)
- 事実婚関係にある方が国民年金第3号被保険者資格を喪失し、事実婚関係が解消したと認められるとき
(※)事実婚関係にある当事者が婚姻の届出を行い引き続き婚姻関係にあったが、その後1または2の状態に該当した場合、1または2に該当した日の翌日から起算して2年を過ぎると請求できません。
分割請求期限の特例
1.次の事例に該当した場合、その日の翌日から起算して、6カ月経過するまでに限り、分割請求することができます。
- 離婚から2年を経過するまでに審判申立を行って、本来の請求期限が経過後、または本来請求期限経過日前の6カ月以内に審判が確定した。
- 離婚から2年経過するまでに調停申立を行って、本来の請求期限が経過後、または本来請求期限経過日前の6カ月以内に調停が成立した。
- 按分割合に関する附帯処分を求める申立てを行って、本来の請求期限が経過後、または本来請求期限経過日前の6カ月以内に按分割合を定めた判決が確定した。
- 按分割合に関する附帯処分を求める申立てを行って、本来の請求期限が経過後、または本来請求期限経過日前の6カ月以内に按分割合を定めた和解が成立した。
2.分割のための合意または裁判手続きによる按分割合を決定した後、分割手続き前に当事者の一方が亡くなった場合は、死亡日から1カ月以内に限り分割請求が認められます。(年金分割の割合を明らかにすることができる書類の提出が必要です。)
詳しくは、お近くの年金事務所にお問い合わせください。