随時改定(月額変更届)

ページID:150020010-151-030-524

更新日:2025年10月9日

報酬に大幅な変動があったときの手続きは、動画でも説明しています。
健康保険・厚生年金保険事務手続きガイド
【分割版6】をご覧ください。

1.概要

被保険者の報酬が、昇給や降給等により大幅に変わったときであって以下の要件に該当した場合は、定時決定を待たずに、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4カ月目(例:4月に支払われる給与に変動があった場合、7月)の標準報酬月額から改定されます。これを随時改定といいます。
6月までに随時改定によって決定された標準報酬月額は、再び随時改定がない限り、当年の8月までの各月に適用されます。また、7月以降に改定された場合は、翌年の8月までの各月に適用されます。

随時改定の要件

随時改定は、次の(1)から(3)の要件にすべて該当した場合に行います。

(1)昇給または降給等により固定的賃金に変動があった

固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているものをいいます。固定的賃金の変動に該当する例は以下のとおりです。

  • 昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
  • 給与体系の変更(日給から月給への変更等)
  • 日給や時間給の基礎単価(日当、単価)の変更
  • 請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
  • 住宅手当、役付手当等の固定的な手当の追加、支給額の変更
  • 一時帰休(レイオフ)のため、継続して3カ月を超えて通常の報酬よりも低額の休業手当等が支払われた場合
  • 一時帰休が解消され、継続して3カ月を超えて通常の報酬が支払われるようになった場合

なお、休職による休職給を受けた場合は、固定的賃金の変動がある場合には該当しないため、随時改定の対象とはなりません。

(2)変動月以後引き続く3カ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた

変動月とは、変動した固定的賃金により報酬を支払った月のことをいいます。例えば、4月に支払われる報酬に変動があった場合は、4月から6月の3カ月間の報酬の平均額により算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額を比較します。
なお、さかのぼって昇給があり、昇給差額が支給された場合は、差額が支給された月を変動月として、差額を差し引いた3カ月間の報酬の平均額により算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じる場合、随時改定の対象となります。

(3)変動月以後引き続く3カ月の報酬の支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である

支払基礎日数とは、給与計算の対象となる日数のことをいいます。日給制や時給制の場合は出勤日数、月給制や週給制の場合は暦日数で計算します。

1等級差でも随時改定の対象となる場合

随時改定は、固定的賃金の変動月以後引き続く3カ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じることが要件の1つですが、標準報酬月額の上限または下限にわたる等級変更の場合は、1等級差でも随時改定の対象となります。

厚生年金保険の場合

ケース 従前の標準報酬月額 報酬の平均月額 改定後の標準報酬月額
昇給の場合 31等級・620千円 665千円以上 32等級・650千円
1等級・88千円で
報酬月額83千円未満
93千円以上 2等級・98千円
降給の場合 32等級・650千円で
報酬月額665千円以上
635千円未満 31等級・620千円
2等級・98千円 83千円未満 1等級・88千円

健康保険の場合

ケース 従前の標準報酬月額 報酬の平均月額 改定後の標準報酬月額
昇給の場合 49等級・1,330千円 1,415千円以上 50等級・1,390千円
1等級・58千円で
報酬月額53千円未満
63千円以上 2等級・68千円
降給の場合 50等級・1,390千円で
報酬月額1,415千円以上
1,355千円未満 49等級・1,330千円
2等級・68千円 53千円未満 1等級・58千円

留意事項

次の場合は、随時改定の対象とはなりません。

  • 固定的賃金は上がったが、残業手当等の非固定的賃金が減ったため、変動月以後引き続く3カ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差が生じた場合。
  • 固定的賃金は下がったが、非固定的賃金が増加したため、変動月以後引き続く3カ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額が従前より上がり、2等級以上の差が生じた場合。

2.手続き時期・場所および提出方法

事業主が随時改定に該当する被保険者の報酬月額等を「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届」に記入し、速やかに日本年金機構へ提出します。
なお、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)が、定時決定の算定月以後に報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合には、月額変更届の提出が必要です。

提出時期

速やかに

提出先

事務センターまたは管轄の年金事務所

提出方法

電子申請、郵送、窓口持参

3.届書様式・添付書類

届書様式

エクセルファイルはご利用の端末の設定により印刷位置がずれる場合があります。印刷の前に余白設定やレイアウトを確認し、印刷してください。

添付書類

年間報酬の平均で算定することを申し立てる場合、以下の添付書類が必要となります。

4.標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集